浮気男よ、散れ
「ふんふふ~ん」
「おお、臭うね~」
落ち葉が足元を占める中庭。
大きなイチョウの木で落ちてる実を拾う。
この時期は実が臭いけど、
銀杏が好きな私は袋に入れて家に持って帰るのだ。
一旦袋に入れて流しに持っていき、中の種だけ取ってまた袋に詰めるつもり。
本当は殻を剥いて、学校でたき火をして調理したいけど、
それは流石に怒られると中学の時に知ったので、
1つ大人になった私はそんな過ちをしない。
「七穂、また面白い事やってんの?」
いつの間に来たのか…
サクッサクッと音を立てながら近づいてきた三神君。
「またって、私は真面目に銀杏を食べようとしてるの」
三神君はクスクス笑って『はいはい』なんて答える。