【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
First*Kiss

私のクセなんです【心瑠サイド】








「ねぇ、結季ちゃん。喉乾いたから自動販売機に行っていい?」



「うん、私もちょうど喉乾いてたんだよね」



親友の結季(ゆき)ちゃんを誘い、教室を出る。



廊下を歩いていると、1人で歩いている見覚えのある背中を見つけた。



蒼空だ……!



「蒼空ぁーっ!」



私は思いっきり後ろから抱き着いた。



「うわぁ!……おい、心瑠。いつも抱き着くなって言ってんだろ」



「だって~……」



呆れながら私を見るのは、同い年で隣のクラスの幼なじみ、藤堂蒼空(とうどうそら)。
同じマンションでお兄ちゃんみたいな存在。



そして私は横谷心瑠。
おっちょこちょいでドジな高校1年生。




そんな私のクセは『好きな人を見つけると抱き着いちゃうこと』です。



あ、でもあれだよ?
蒼空のことは恋愛とかじゃなくて、幼なじみとして好き。
よく抱き着くから勘違いされたりするんだよね……。
まぁ、あんまり気にしてないけど!
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