星屑ビーナス
「はっ!時間!!」
我に返り目を覚ますと、時計に表示されているのは目覚める予定より一時間も遅い時刻。
(っ〜…まずい遅刻!!)
ガバッと飛び起きては、私はバタバタと仕度を始める。
とりあえず着替えて化粧して…髪は向こうに着いてからでいいや!
あとは忘れ物は…そうキョロキョロと部屋を見回すと、テーブルの上に置いたままのネックレスが目に入った。
「……」
チェーンに通されたダイヤの指輪
それは今日も、小さく輝く
(…これは、未練なんかじゃない)
そう手に取り、家を出た。