隣のオオカミくん。
■席替え
□Prologue
「席替えすんぞー」
高校二年生の始まり。
新学期早々、私達のクラスは
席替えを行う事になった。
「私、オオカミくんの隣がいいなぁ」
「私も!せめて同じ班!」
教室は女子達の
「オオカミくん」の声で染まる。
オオカミくんって誰かって?
それは、私が一番恐れている人。
「あ、天川さんじゃーん」
隣になる事を一番恐れている人。
隣になってはいけない人。
「え、隣?」
「うん、そうだけど」
斎藤海斗。危険人物。
…それなのに。
まさか、隣になってしまうなんて。
「仲良くしようね。優花ちゃん♪」
この席替えが、
一つの恋の始まりだった。
< 1 / 17 >