隣のオオカミくん。
■二人の距離
■優花side
オオカミくんは、二週間経った今でも
私に絡んできていた。
「授業中に本はいけませんよ?」
「寝てる奴に言われたくない」
だけど、そのほとんどは
私に対する嫌味や、意地悪だった。
何か、思ってたよりオオカミって感じは
しないけれど油断は出来ない。
私は、オオカミくんの机と距離を置いた。
「おい。何してんだよ」
「オオカミくんの傍にいたら危険だから」
「今更?」
確かに今更かもしれない。
嫌とか言っといて、
普通に話しちゃってるし。
でも、それは流れっていうか…
社交辞令ってやつ?
「無視するのは可哀想だな、と」
「あ?」
何て理由をつけていたら、
オオカミくんの目がキツくなった。