クール上司と偽装レンアイ!?
努力と結果
別府課長から異動の打診をされてから丁度三週間後。

私は再び小会議室に呼び出された。

きっと正式に異動がどうなったかの話をされるんだ。

緊張でいっぱいになりながら席を立つ。

足がもつれてしまいそうになるくらい、小会議室に行くのが恐かった。


別府課長はこの前と同じ場所に座り、ノートパソコンを開いていた。

「失礼します」

私も前回と同じ椅子に静かに座る。

「広瀬、この前話した製造部への異動の件だけどな」

来た! 思わず心の中で叫んでしまう。

心臓がドキドキと煩く跳ねる。

いつもの私なら絶対無理だと思う状況だけど、今回は少しだけ自信が有った。

葵の協力のおかげだけど、この半月で私は目に見える仕事の成果を上げていたから。

他の人に比べたら大した事は無いかもしれないけど、私としては大きな進歩だ。

やる気と努力は認めてもらえたと思う。

だからこの緊張は恐れと、それから期待でも有った。

でも、

「広瀬、検討したんだけどやっぱりお前を製造部に出す事にしたから」

別府課長の答えは私が願ったものじゃなかった。


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