平等主義彼氏の彼女の苦労






二時十分前。

勝負の相手は、驚いた顔をしてやって来た。







「…美羽?」



何となく、結城さんの考えてることが分かった。



彼女には後日、チャンスをくれたお礼をしよう。




「待ってた。」


「うん…ごめん?」


「なんで疑問系なの(笑)」


私がふっと笑うと、玲音はいくらか安心したようだった。




「ってことは、結城さんは…「ねえ。」




これから、勝負に出るよ。

だから、今は結城さんのことは考えないでほしいの。



吐く白い息はいつもよりも熱を帯びているようで、自分が今、ひどく緊張してることが分かった。



私の真剣な声に、彼も緊張していることが伝わってくる。




「私ね、最近玲音が私から離れていってる気がして、ずっと不安だったんだ。

でもさ、私は弱虫だから。
なにも言わないまま、ずっとずるずる引きずってた。


…そのせいで、もう後戻りできなくなったんだよね。」




「え…?」



「だから、だから…

私、もう一度、玲音に告白します。


…そして、ふってください。」





「…え、ちょっと、美羽…!?」












< 14 / 22 >

この作品をシェア

pagetop