身体が小刻みに震えている。

 心音が外に漏れ聞こえているのではと思うほどに、心臓が激しく波打っていた。

 呼吸すら覚束ない。

 動揺を誤魔化すように、こくりと生唾を飲み込んだ。

 紡がれる辛辣な言葉。

 瞼が熱を持ち、痙攣したように唇が戦慄く。

 誰もいなかったら、頑是無い子供のように、きっと大泣きしてるに違いない。

 唇を噛み締めて、泣きたい気持ちをグッと耐える。

 昂ぶる感情を落ち着かせようと、身を切られるほどに冷たい外気を肺いっぱいに吸い込み、深呼吸する。

 ふと、辺りの喧噪が耳に届く。戻ってきた音が私の身体を包み込む。

 ウィンターイルミネーションの電飾がクルクル幾重にも巻き付けられたサクラの木々が、冷たい風に嬲《なぶ》られて、ザワリと淋しげな音を立てる。
 
 地に落ちた葉を風が攫い転がす音が、自転車のベルが、女子高生達の話し声が、車のクラクションが、耳の傍を流れるように掠めてゆく。

 行き交う人達が、騒ぎ立てる私達を見て、何事かと視線を向けているのが分かった。


 ――大丈夫。私、まだ、大丈夫。


 超然と私を見下ろす異母弟に、潤み出す両眼をキッと向けた。


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