晩靄(ばんあい)
物語の素
ラファエルは旅人として描かれます。
また、ラファエルにはヘブライ語の[神は癒す]
という意味があります。
ノアの方舟のノアに、友好の証しに医学書を
手渡したことから、ヒーラーとしての役割がわかります。
はじめの方に出てきたドナは、旅人であるラファエルを休ませました。
ドミトリーが、ラファエルである象徴を感じ、
思い出す事をガブリエルは促していました。
また、来世でも同じように、悪魔に借りをつくってまた、次の生でも同じように悪魔を
騙そうと唆し、地獄との係わりを続けようとさせたドミトリーの親友ゴードンは、フィッシュが化けたものでした。
しかし、ドミトリーの強い信仰心が、悪魔の世界から自らを天使に戻そうとしました。
自らが望まなければ、悪魔の仲間にはなれないのです。
魂の響きが、死後自分の居場所を決めるためです。
ホルヘ・ルイス・ボルヘスの[ボルヘス オラル]
にもあるように、高度な会話が出来なければ、
天使と話す事が出来ないと、言われているように、フィッシュとラファエルは、会話が出来なくなるのです。

ソフィアは、信じる神が違いました。
地獄を支配する、神です。
ミカエルのことをミハエルと言いました。が、
勘違いをしていた訳ではありません。
ソフィアの名のとおりラテン語圏
の女性で、ドミトリーはロシア語圏の男性の名前です。
ソフィアはロシア語で、大天使ミカエルの事を、
ミハイルと言うことを知っていました。
本当はミハイルと発音したかったのですが、ソフィアはイルを忘れて、どうしてもエルと
語尾がラテン語になってしまうのです。
因みに、本来なら、ミハエルと発音できるラテン語圏の人は珍しいのです。
ラテン語圏では、ハを発音出来ないからです。


ラミレズとフィッシュは、マリリン・マンソン
のバンドのメンバーからとりました。
この作品を書いていた当時、マリリン・マンソンは[マトリックス]という映画のテーマソングを担当していました。
その時にファンだったから、悪魔にしました。

マリリン・マンソンは、バンドのメンバーの名前を、映画スターの名前やミュージシャンと
犯罪者の名前をあわせていました。ラミレズは
犯罪者の名前で、ストーカー殺人をしました。
ストーカーなので、ドミトリーの人生を知っているという含みを持たせました。
フィッシュも犯罪者の名前で、彼は人を食べました。
また、[トビト書]で大天使ラファエルはトビトの息子トビアスの旅に同伴しました。
途中で巨大な魚に襲われました。その魚の胆嚢でラファエルは処方し、トビトの見えなかった目を見えるようにしました。
そのエピソードからも、フィッシュを悪魔にしました。

メルヴィルは、哲学的な[白鯨]という小説を
書いたハーマン・メルヴィルからとりました。
哲学は悪魔なので、悪魔にしました。

また、フィッシュの含みを持たせました。

悪魔なので、聖飢魔IIは?という声が聞こえてきそうですが、違う所にいます。
魔界は広いからです。

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