ベッドの上で、枕を抱くようにして眠っていた私の耳に、携帯電話のアラーム音が聞こえてくる。


いつも置いている場所に手を伸ばすけれど、そこには何もなく、どうやらベッドの下に落ちているようだ。


「ん……なんでベッドの下に……」


まだ眠い目をこすりながら、ベッドから身体を起こして床に脚を下ろした。


そういえば、昨日は携帯電話持ったまま眠ったんだよね。


伊勢に、なんて返信して良いか分からずに。


「学校で……謝らなきゃね。心配してくれたんだもん」


床に落ちていた携帯電話を拾い上げて、私は洗面所に向かった。


洗顔して、歯磨きして、また部屋に戻って学校に行く準備をする。


いつもは、何も考えずにしているこの動作も、今日は少し楽しみだ。


今日も、「赤い人」を見てしまったらどうしようという不安はあるけれど、ひとりでいなきゃいいだけだし、それができなくても校外で時間を潰せばいいから。


まだ少し怖いけど、学校に行って伊勢と話をする事を考えると、それが楽しみでもある。


なんだか、今日は良い事がありそうだ。


そんな事を考えながら私は制服に着替えた。

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ホラー  カラダ探し  高校生  裏切り  呪い  赤い人 

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