カラダ探し~第ニ夜~
準備を終えて家を出た私は、いつものように通学路を歩く。


誰と待ち合わせるわけでもない。ひとりだけで、通り過ぎる同じ制服に身を包んだ生徒達を見ながら。


でも、今日は少しだけ違う。


頭の中にモヤがかかったような感覚があって、なんだかスッキリしない。


それに、やけに携帯電話が気になる。


友達だったら「おはよう」とか、メールしたりするのかな?


学校に行けば会えるから、そんな事はしないのかな?


昨日は、伊勢の名前が登録されたから、うれしくて舞い上がっていたけど、冷静になって考えると私と伊勢は友達って言っていいの?


分からない事だらけで、メールを送っていいのかどうかも迷ってしまう。


「はぁ……何考えてるんだろ、私……」


別に彼氏ができたわけじゃないんだし、友達かどうかも分からないクラスメイトと、アドレス交換をしただけなのに。


気付けば、私の10メートルくらい前を歩いているのもクラスメイトのひとりだし。


あれは……浦西翔太?


近所に住んでいるけど、話した事もないから、私より少しだけ頭が良いという事以外はよく分からない。


伊勢とも、そんな関係なのかな?


でも、もしも伊勢が私を友達だと思ってなくても、私にはひとりだけ友達がいるから構わない。
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