スイートナイト
静香は首を縦に振ってうなずくと、
「今は優さんに会いたくないかも知れないけど、ちゃんと会って、お互い話しあって離婚した方がいいと思うよ」
と、言った。

「うん、わかってる」

私は首を縦に振って返事をした。

「弁護士が必要なようだったら紹介するわ」

「ありがとう、静香」

本来なら反対されて、責められるのが当たり前だ。

だけど静香は、私の味方でいることを選んでくれた。

やっぱり、静香にちゃんと話してよかった。

「じゃあ、あたしは仕事がまだ残ってるから」

「ごめんね、仕事中に」

「いいの、いいの」

私たちは笑いながらタリーズで別れた。
< 131 / 186 >

この作品をシェア

pagetop