スイートナイト
「おかえりなさい」

玄関に顔を出して迎えた私に、
「おっ、今日は揚げものか?」

優が嬉しそうに言った。

「今日は優の好きな鶏のから揚げにしたの。

久しぶりに優が早く帰ってくるから、張り切っちゃった」

アハハと笑いながら言った私に、
「やった、今日はついてるなー」

優はスキップしそうな勢いでリビングに向かった。

そう言えば、昨日は取引先に行くとか何とか言ってたな。

今日は取引先での仕事が思い通りに行ったから、早く帰ってきたのだろう。

私はそんなことを思いながらリビングに向かった。

「いただきまーす」

優がそう言うと、嬉しそうにから揚げを頬張った。

「うん、美味しい!」

…その光景に、私はやっぱり何も感じることができなかった。
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