キケンなアイツとの生活
「あ、ここ!」


目が覚めて、ビックリした。デートしたら、ゼッタイ水族館は行きたいって思ってたから!しかも、雑誌で見た水族館だったから一気にテンションが上がった。


「でも、なんで…?」


わたしが首を傾げると、頭をガシガシ掻いた冬弥さんがため息と共に口に出した。


「そりゃそうでしょ。朝は、あんな感じになって、変な空気になるし。迎えに行ったら、オレのこと無視するし。これでオレ振られたら最悪でしょ」
「だ、だって。わたし経験ないから、ゆっくり進みたいのに冬弥さんが変なこと言うから!それにさっきのは、また番号もらったり、ベタベタされてたり、冬弥さん嬉しそうにしたりするから!」


そこまで言うと、突然冬弥さんがニヤリと笑う。


「やっぱり嫉妬してくれてたんだ?」
「や、っぱりって、なによ…」
「愛梨、カワイイ。オレ、そういうとこ好き」
「なっ、」


そして、車の中で冬弥さんが、わたしに近付く。その目は、先ほどとはチガって、真剣で息を吸うのも忘れてしまいそうになる。


「キス、していい?」
「でもっ、ここ車っ!」
「大丈夫、誰も見てないから」
「……っ、」
「イヤ?」
「……ううん」


冬弥さんと、もう何回キスをしただろう。まだまだ慣れはしないけど、冬弥さんのことがもっともっと好きになるんだ。


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