俺と君の現実論


「子供が出来たら、スキー出来ないのって笑われちゃうかもよ?」

「そのときはあなたをお姫様抱っこして、『あなたのパパはいい歳した大人くせに、こんなに可愛いくて甘えん坊なのよ』とでも言っておきます」

「……。」


やっぱり自重してもらいたい。

どうかこのハルキの戯言が現実でなく、妄想となることを願っていよう。

とりあえず子供が出来るまでは、隣にいる君の溢れんばかりの愛を受け止めていこうかと思う。


「きゅーさん、きゅーさん」

「ん?」

「私、妄想のきゅーさんじゃ全然足りませんから。いっぱい満たしてくださいね。
今夜、覚悟しといてください」


現実もなかなか甘いものだ。



【完】

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