君想歌
*憶*
バーンっという激しい物音に
強制的に眠りから覚める。

いったい朝からなんだ……。


騒がしいことこの上無いのだが。

寝癖がついた頭で布団から
上半身だけを起こした和泉は
瞬間、機嫌が最高潮に悪くなる。

「和泉に男が出来たって本当か?」

「嘘だろ?男装してるし。
胸無いし、チビだしな」


「止めろって二人とも!!
寝てただろっ!」

上から大中小。


体格のよい原田左之助。

筋肉が程よくついた永倉新八。
矢継ぎ早に質問をする
二人の腕を掴み止める藤堂。


「平助……伏せっ!!」

「はっ?」

条件反射で畳に這いつくばった
藤堂の頭上を凄まじい早さで
クナイが通りすぎる。

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