君想歌
*栄*
昼の巡察隊の先頭に和泉を
見つけた。

沖田が居ない?


俺は待ち合わせ場所にした
甘味屋から一番隊の様子を
見ていた。


隊列の中には共にあるはずの
沖田総司が居なかった。


そりゃそうか。


「団子十本追加でーす!!」


沖田は店で団子食べてるからね。


馬鹿みたいな注文量は
振り向かないでも分かる。


あ、隊列崩れた。

真っ先に此方に駆けてくる
和泉は犬みたい。


「待った?」


「全然」

俺が答えると笑って刀を
腰から抜いて座った。


和泉も俺も餡蜜を注文する。


「今日の巡察。
どっかの誰かさんが途中で
甘味食べに逃げてね〜」


ガチャンっと斜め後ろの席で
皿が音をたてる。


和泉はニヤリとしながら
そっちに視線を送っている。

気づかれてるよ。
沖田。

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