【完】泣き顔スマイル



でも、



春のお花見も

夏の海も

秋の紅葉祭りも

冬のイルミネーションだって


全部、修ちゃんを独り占めしてきた。



だから、わたしは大丈夫。

修ちゃんなしでも、もう大丈夫。



行って、修ちゃん。

早く、早く。



走って行って。




修ちゃんの足が止まった。

何かを言いたげに振り替る。



どこまでも修ちゃんは修ちゃんだなあ。




あたしはもう転ばないから

振り返らなくていいんだよ。





「さようなら修ちゃん」



ツー…。


呟いた瞬間、抑えていた感情が

涙となって溢れ出した。



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