恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~

退部届


次の日、幸い佑真には一度も会わなかった。


辞めろと言われた以上朝練に顔を出すわけにもいかないし、もちろんそのことで咎められもしなかった。


……これでいいんだと言われているようで、やっぱり淋しさはあったけど。




だから放課後だって出れるわけない。


「今日は部活休むね」


記憶の中にもあたしが部活を休むなんてなかったからか、目を丸くしたさくらだったけど、


「最近頑張りすぎてて疲れたんでしょ。オッケ、今日はゆっくり休んで充電しときな」


「ありがとう」


朝練に続き、あっさり休むことを承諾してくれたさくらに感謝して、あたしは足早に学校を出た。
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