恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~

最後の夏へ


それから数日が経ち、週末を挟んだ月曜日の朝。


驚くべき光景を目にした。


朝練の用具準備をする部員の中に、


「あっ!!」


……佑真の姿を見つけたから。



そこへエビ君が通りかかり


「増田さんおはよう」


「うんっ、おはようっ」


のんびり声の挨拶に軽く返事をして


「あっ、あれ…っ!」


はやる気持ちを抑えられずに、佑真に向かって指をさしてしまう。


そこにはやっぱり、バットケースを担いでいる佑真。


「うん。そうみたい」


軽く口元を緩めたそんなエビ君の一言は、佑真の復帰をもう知っている様子。

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