Rhapsody in Love 〜約束の場所〜

7 別れの決心




 夏休みが終わり、芳野高校には生徒たちがいる日常が戻ってきた。

 二学期制を導入しているので、夏休みが終わっても、始業式などはない。通常の全校朝礼が行われるだけで、その後は普通に授業が行われた。


 この日のみのりは2限目・5限目に1年生の授業があり、6限目に3年1組の授業が入っている。

 文化祭の衝撃から数日経ち、この日も1年生の授業を行ったことで、みのりは普段通りの心の状態を取り戻せていた。

 体育の後の授業になる3年1組の授業には、チャイムがなってしばらくして、わざと遅れ気味に教室へ入った。
 9月に入り、体育は水泳ではなくなったので暑かったのであろう、着替えた後もみんな汗をかき、火照った顔をして下敷きで扇いでいる。

 いつもの教室の状態に、みのりはホッとした。月が替わったので席替えをしたらしく、みのりが記憶していた席順とは違っていた。


 礼を済ませて、みのりが口を開いた。


「夏休みはどうでしたか?……って、ついこの前補習であったよね?」


 一部の生徒がクスッと笑いを漏らす。


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