レインストーム
■『友達ぐらいなってやるよ』■





『あーうるせぇ。卑怯な奴らが笑ってるとぶん殴りたくなるんだよなぁ』


その声と共に現れたのは古屋だった。

古屋が2組に入ってきた事で空気は変わり笑い声もピタリと止まった。


『でもお前は特にクズだな』

古屋は渚を睨み付けて、その手に持っていたスマホを思いっきり床に叩きつけた。それを上履きでぐりぐり踏みつけるとスマホの軋む音が教室中に響いた


古屋はやっぱりすごい存在感で私でも恐縮してしまうぐらい。


『てめぇの自慢の彼氏ってもしかしてS商業の山本たくみ?あの雑魚が今からここにくんの?前ボコったんだけど俺の事覚えてっかな』


『………』


渚はさっきまであんなに威勢が良かったのに、今じゃ古屋と目すら合わせられない。



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