Polaris
瞬華(しゅんか)
__ガチャッ__


玄関のドアが置く音がした。


あたしは3人が何か忘れ物でもしたのだろうかと思い、玄関の方に向かう。


「忘れ物でも、、、」


そう言いかけた、あたしの言葉は止まった。


「やっぱり、あなたが未来だったのね」


そう言い、当たり前のように中に入って来る女。


「な、、、何しに来たのよ」

「百合子が死んだって聞いて、水でもと思ってわざわざ、こんな田舎まで来てあげたのよ」


来てあげた?


そんなこと、誰も頼んでなんかいない。


「帰って」

「母親に向かって、失礼な子ね」


母親?


アンタは一度でも、あたしに母親らしいことをしてくれた事はあったのだろうか。


そんなこと、あたしは知らない。

< 267 / 345 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop