偽装結婚の行方
第六章 友人達の反応
それから3日が過ぎた。

最初は今までと勝手が違う生活パターンに戸惑ったりもしたが、今はだいぶ慣れて来た。それどころかむしろ利点もある。例えば、実家よりも会社が近くなって通勤時間がかなり短縮された事や、朝晩尚美と希ちゃんが挨拶してくれる事とかだ。


希ちゃんは俺に懐いてくれたみたいで、朝は小さい手でバイバイしてくれるし、帰ると進んで俺に抱っこをせがんだりする。

尚美も笑顔で俺に接してくれ、「行ってらっしゃい」と送り出されると、俺も「行って来ます」とか言いながら、いい感じで思わずチュッとしたくなるくらいだ。もちろんしないけれども。帰った時も同様だ。


しかし今日は少しばかり帰りが遅くなってしまう。なぜなら、帰りに真琴と会う事になったからだ。

休みの日に彼女のアパートへ行く事はあっても、会社の帰りに会うというのは非常に珍しい。彼女から誘われたのだが、俺は週末まで待ってくれと言ったのだが、真琴がそれを承知してくれなかったのだ。

よほど急いで話したい事があるのだろうか……

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