冷たい上司の秘密の誘惑
7.心機一転…心には穴
…それから数日後。

私は埼玉支社に転勤した。

「よろしくお願いします」

そう言って頭を下げる。

…私が左遷されて事も知っているし、その理由も知ってるらしいが、

誰一人、私を苛める人も、陰口を言う人もいなかった。


それどころか、私を受け入れてくれて、

色々教えてくれて、支えてくれる優しい人たちばかりだった。


「どうして、こんなに優しいんですか?」

仕事を始めて数か月ほどが経ったある日、仲良くなった同い年の

美幸に聞いた。


「エ、そんなの決まってるじゃない。

大人なんだから色恋沙汰は当たり前だし・・・

別に悪いコトしたわけでもないじゃない?だから、ここの人たちは、

誰も美穂を悪者扱いする人なんていないわよ。本社みたいに、

社員の数は多くないしね?美穂仕事できるから、大歓迎されてるわよ」

そう言ってクスクスと笑った。


「あ~、後ね、うちの上司の如月部長と、本社にいる誰だっけ…

あ!篠田部長?が友人らしくてね、久保を頼むって言われたらしいよ。

あ、これ内緒ね、如月部長が、私だけに教えてくれたの」

そう言ってペロッと舌を出した美幸。

「…あの如月部長と、美幸ちゃんって」

「フフ…当たり、私のダーリン、もちろん秘密だけどね」
< 76 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop