海棠を見送った後、オレもすぐに会社を後にした。外に出ると、少し先を海棠が歩いている。

 もう遅いし、駅まで送って行こう。そう思って歩を早めたとき、海棠の後ろに不審な男がいるのに気づいた。
 派手な赤毛に燕尾服。見るからに怪しい。もしかしてストーカーか?


「海……」


 慌てて声をかけようとしたとき、海棠が振り向いた。怪しい男を見つめて笑みを浮かべる。

 なんだ、知り合いだったのか。
 ホッとしたと同時に一抹の寂しさを感じた。

 声をかけるのはやめて、二人の後ろに距離を置いて駅に向かう。

 ふいに赤毛の男が振り向いた。海棠は気付かず、そのまま歩いている。
 男はオレと目が合うと、フッと余裕の笑みを浮かべ、すぐに向き直って海棠の後ろに従った。

 なんだ、その挑戦的な目は!

 海棠に今、彼氏はいないと聞いている。怪しい赤毛の男と彼女の関係が無性に気になった。


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