狂妄のアイリス
 リビングに降りて行くと、テレビの中でワイドショーがどうでもいいことを騒いでいた。

 母が食べたらしい昼食の残りを電子レンジで温め直す。

 母は、自分が食べた食器を洗っていた。

 今日はこれが最初の食事になるんだけど、これは朝食になるのか昼食になるのか。

 とりあえず、メニューは焼きそばだった。

 毎日毎日、変わり映えがしない。

 お母さんが怒って、昼に起きて、ごはんを食べて……

 鬱々とした日々。


「蛍」


 お茶でそばを流しこんでいると、洗い物を終えた母がテーブルの向いに座ってくる。

 私はそれを無視して、テレビを見つめる。


「蛍、どうするの? 蛍も、このままじゃダメだと思っているでしょ? 学校にも塾も行かないで……今はいいけど、高校受験とか。どうする気なの?」


 怒りの次は、お説教だ。
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