可愛くないって言わないで!!

ほんとしつこいなあ。



出ないものは出ない!



そう言おうとしたあたしの目に、こっちを見るコウと沙弥が映った。



そうだ……イケるかもしれない!




「ねぇ、アンタ!」


「出てくれる気になりました!?」


「沙弥ってエントリー決まってるんだよねっ?」


「え? 沙弥って、桂木沙弥さんですか? そりゃあ前年のミスですし、今年も参加してもらうことになってますけど。あ、でも! 僕は藤村さんが出てくれたら桂木さんと良い勝負になって盛り上がるんじゃないかと!」


「あーそういうのいいから! ……気が変わったの。あたし、ミスコン出てもいいよ」



実行委員の男子が目を輝かせた。


ちょろい。



「ほんとですか!」


「ただし、条件があるんだけど」


「なんでも言ってください!」






「優勝したら、好きな人とキスできるって賞品作ってよ」


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