目を閉じ、頬をピンク色にさせて感じているゆかりの顔が好きだ。

 だけど、俺の方を見て喘いでいる顔がもっと好き。

「ゆかり……こっち見て……」

 ゆかりは揺れ動かされて少し辛そうで、更に焦点が合っていないぼんやりとした視線をうっすら俺に送る。

「もっとこっち見て」

 馬乗りになり、腰を中心に身体を動かす俺は、征服感に煽られて目を合せたまま乳首をつねる。

「アッ……」

 予想通り白くて細い首が露わになり、すぐにそこに噛みつく。

「こっち見てって言ってんのに」

「だっ……てぇ……」

 すぐに言い訳ばっかする。

 ほらまた目を閉じてる。

 俺はゆかりの長い髪の毛を少しずらして耳を出し、

「感じてる顔見せてって」

息と共に吹き込んでやる。

「うぅん……」

 眉間に皴が寄り、頬が更に紅潮している。

「……ゆかり?」

 俺はつと動きを止めて、その愛らしい顔をまじまじと見つめた。

「、何?」

 揺れがなくなったことに、ゆかりも何事かと目を見開き俺の目を見つめた

 俺はここぞとばかりに顔を落としながら、

「好き」

それだけ言って、キスする。

 軽く触れ、更には舌もぐんと奥まで入れる。

心地よくて、気持ちよくて、最高の瞬間だ。

「愛してる」

 自然に動き始めた身体に、ゆかりの身体ももちろんついてくる。

「愛してる。好きだから」

 俺はゆかりの両手に自らの両手の指をそれぞれ絡めた。

「愛してる。一生愛してる」

 そうなんだ。ずっと前からそうなんだ。もう腹は決まってるんだ。ゆかりを一生幸せにするんだ。

 想えば想うほど、腰の動きはいっそう早くなり、限界に近づいてくる。

「ゆかり……愛してる。出すよ……中に」

「えっ!?」

 思いに浸っていたゆかりは、突然目を見開いて一気に身体に力を入れた。

「責任は取る。これは俺の気持ちだから、受け止めて欲しい」

「えっ、ちょっ!?」

 絡まった指から離れようとするその両手首を掴み直し、組み敷く。

「やめて」

 まさかの低い声に一瞬萎えるほど、ショックを受けた。

 だが、振り払え!、と腰を強引に突き込む。

「ゆかり、ゆかり、ゆかり………」

 ゆかりが強く抵抗し始めたので力で抑え込み、深くキスをした。

 何で抵抗なんかするんだよ、そんなのおかしいだろ?

 好きだからキスするんだよ。

 愛してるからセックスするんだよ。

 本気で責任取るつもりだから、中で出すんだよ。

 お前との子供が欲しいって言ったじゃん。

 お前も笑ってたじゃん。

「ッ~~~…………」

 だからあえてお前の誕生日の日にしたんじゃん。

 その方がお前も喜ぶと思って。

 なのになんで……。

「…………………」

 泣いてるんだよ。

 こっちも見ず、顔を隠して、身体も横に向けて。

「ゆかり?」

 気持ち良かったんじゃないのかよ?

「……ゆかり?」

 我を忘れたような顔して声出してたじゃねーかよ?

 なのに何で……。

「ゆかり……?」

 呼びかけても答えねーんだよ。

「ゆか……」

「何でそのままするのよ!! 」

 それは……ないんじゃね?

「だって……」

「だってじゃないわよ。こっちは一生かかってんのよ!? 私の身体、どうでもいいと思ってんじゃないの!?」

 シーツを睨みつけながら声を荒げるゆかりのこんな顔は見たことがなくて。

「でも俺は、責任取るつもりでやった」

「つもりって何よ!?」

「つもりじゃない。責任は取る。子供ができたら育てる。もちろん結婚はする」

「…………」

 少し表情が和らいだので気持ちが伝わったものだと信じ、本心からの言葉を捧げた。

「ゆかり、本気で愛してる。一生愛する。俺は結婚したい。明日にでも」

 突然のことで驚いているのか、力を失くし、どこか宙を睨むゆかりの顔に俺はそっと触れた。

「ゆかり……」

 更に背後から抱き着き、全身を使ってその柔らかなのに華奢な肢体を包み込む。

「ゆかり……幸せにするよ、必ず」