キミガスキ
奇跡の時間

幽霊ってこんな感じなんだ。
お葬式も全部見てたよ。

いろんな事ができるけど、その存在は誰にも見えないから、幽霊になって寂しがり屋になった。

今まで1人が1番、楽だったのになぁ。

何かに吸い寄せられてる…
なんだろう?

颯人先輩だ。私をじーっと、見てる。
私が見てるの?
「坂本…ちょっと、ついて来い」
〈え…〉

連れてこられた場所は、
人っ気の無い理科室。

〈私が見えますか?〉
「うん。見えるよ。何で成仏しなかった?」
〈少し時間を下さいってお願いしたんです。〉
「たしか、悠太に会いたいんだろ?」
〈はい!〉

「じゃあ、49日から、4日を引いて45日間の時間を与える。これ以上は、絶対に無理だ。」
〈はい。分かりました。〉

「悠太だけに、坂本の姿が見える様にしといた」
〈ありがとうございます。〉
「じゃあな。」
颯人先輩に深く一礼した。

嬉しい。悠太に会える。

やっと素直に少しなれたかな?
悠太の家に向った。
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