田中のくせに!!
岩槻くんと田中。
「…なんか今日、まどか元気ないね」
昼休み。いつも通り小夏と友梨と三人で、机をくっつけてご飯を食べる。
「…そう?」
「うん」
デザートのオレンジを食べながら、頷く友梨。
「実は昨日…裸見られちゃってさー…」
「はぁあ!?誰に!?」
「田中…」
「田中ぁ!?
…って誰?」
不思議そうな顔であたしを見つめる2人。
っあぁあ!!!
そうだ田中と住んでることは内緒だったんだ!!!
「…まさか…」
友梨が神妙な面持ちで、チラリと教室の後ろの方で友達と喋っている田中を見る。
まずい!!!
「っち!違う違う!!
田中っていうのは…い、犬!!」
「犬ぅ!?…もしかしてこないだ言ってた、知らない人見るとすぐ噛み付くっていう…」
「そうっ!ソレ!!!」
怪訝そうな顔の小夏を、全力で肯定。
「…なんだ犬かー」
「ったく、驚かせないでよ」
「…ご、ごめ「周防」
…あまりのタイミングの悪さに背筋が凍った。