好きって気づけよ。
*子どもっぽくてごめん
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けっきょく舞香ちゃんが教室に帰ってきたのは、授業が終わったあとだった。
「舞香ちゃん、おかえりっ。遅かったね?」
舞香ちゃんが私の前の席についたので、私はうしろから声をかけた。
振り返った舞香ちゃんは、私を真剣な瞳でじっと見つめて。
「……心愛。いますぐ誰かと席を交換してもらうべきだわ」
「ほえ? どうして?」
「…………」
いらいらしたように眉をひそめて、だまりこむ舞香ちゃん。
どうしたんだろう……?
「あっ、そうだ。舞香ちゃん、栗原くん目覚ました?」