私は異世界の魔法使い?!
・想い
辺りを包んでいたシャンパンゴールドの光は、徐々にその姿を消してゆく。同時にカイトの周りに煌めいていた輝きも消え、傷は癒えてゆく。
するとカモタケツは何も言わず、翼を大きく動かし、飛び去った。何も言わず、ただ背中を向けて。
「……本当に良かったのか」
「だって彼を閉じ込めておくなんてできないでしょ」
それこそカモタケツとやってる事が同じじゃないか。
「また三本足に見合うようになったら現れるかもしれない。そうなったら、カイト今度は負けないよーにね、あたっ!」
ゴンッ、って音と共に、私の頭に拳が落ちてきた。大げさに反応したけど、それほど痛くは無い。
「お前、いちいち苛つくな」
「それはお互い様でしょーが!」
なんて言いながら、私は微笑んだ。
カイトの釣り上がった目尻も意地悪そうに笑った。
ああ、なんて幸せなんだろう。
この時間がずっと続けばいいのに……。