青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
その瞳の先に
「おーい、ふたりともー!おっそいぞ〜!」
放課後、あたし達四人は帰り道を歩いていた。
歩くのが遅いあたしと池谷くんを置いて、利乃とトモはどんどん歩いていく。
ふたりの姿が小さく見えてきたところで、利乃が振り返って、ぴょんぴょん飛び跳ねた。
「…いや、暑いし。なんであんなに利乃は元気なの」
あたしが手でパタパタと顔を扇ぎなから言うと、隣で池谷くんもため息をついた。
「利乃、夏は毎年あんな感じだよ。誰より元気がいい。つーか、ホント暑いね…」
なんかもう、笑う余裕すらない。
のろのろと歩くあたし達に、利乃が呆れたように「もぉーっ」と頬を膨らませた。
そして、ずんずん先へ行く。
さすがお人好しのトモ、利乃をひとりにするわけにも行かず、あたし達を気にしながら、あとをついて行った。
その後ろ姿を、ぼうっと見つめる。
夏の暑さが、心を浮つかせるようだった。
……トモと付き合ったら、きっと楽しいんだろうな。
このままのあたしを、好きになってくれた。