初体験までにしておくべきリスト10
もう、耐えられそうにない
「なあ、今夜こそ泊っていかない?」

ぶほっ!

「ちょ、お前ぶほって。ノド詰まらせてない?」

カラカラと笑う無精髭の男は、私の彼。
せっかくオシャレして来たのに、ご飯口から飛び出るとか〜。

「しかもご飯つぶ、ついてんぞ」
クチビルを指でつい、と撫でてご飯粒摘むとそのまま食べちゃった。
厚いクチビルに彼の指の先端が吸い込まれる。
口角がキュッと上がっているから、セクシーだけど精悍でもあり。
きっと私はそれを惚けた顔で見ていたんだと思う。

「どした? 吹き出した直後にエロい顔して」

「なっ・・・。ちが、ちが。ちがうったら。今夜は、今夜はその・・・ほら、アレ」

「お前は週末の夜はいっつもアレで忙しいんだもんな〜」

彼はちょっと呆れ気味。
アレ、ってなんにもないくせに。
彼の部屋に泊まりに行かない私を、じれったく思いつつも、待ってくれてる。
そんなのわかってる。

わかってるから泊りに行きたいけど、泊るってことはつまりその。
アレをああして、こうなるわけで。
ひーーん、そんなのまだ準備ができないから無理!
< 1 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop