彼氏契約書
9.その意見に異議あり
「ちょ、ちょっと待っ「それは賛成できません」

「「・・・・」」

突然の言葉。

私と海人は声を主を探した。


「…君は?」

声の主を探した海人は、問いかける。


「美緒さんの彼氏ですが」

そう言ってニコッと微笑んだのは、私が想ってやまない人。


「…蒼空、何で」

私はかすかに震えた声でそう呟く。


「社長の命令で、貴方を日本に連れ戻す為に来ました」

「…命令?」


「…と、言うのは建前で、僕が美緒さんを連れ戻しに来たかったので、

有給全部使ってここに来ました・・・・

美緒さんが帰ると言ってくれるまで、何日でも一緒にいますから」


そう言った蒼空の目は真剣そのもので・・・

打って変わった、今の状況が読み込めず、困惑している私。

それを見た海人は、ポツリとつぶやいた。


「…確かに、俺に似ているな」

そう言ってフッと笑みを浮かべる。
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