さみしがりやのホットミルク

「……話したいことが、あるんだ」

「ぅらああああ!!」



ほとんど叫ぶような大声をあげて向かってきたこぶしを、かわす。

今度は背後からもうひとりの男が殴りかかってきたから、それもとっさにしゃがみこんでやり過ごした。



「ッ、てめぇ、ざけんなよ!」



ことごとく攻撃を避ける俺に、金髪の男が苛ついたような声をあげる。

背の高い方の男はというと俺が蹴りをよけた拍子に思いきり地面にすっ転び、痛そうに尻を押さえていた。



「……帰れよ。俺は、あんたらとケンカする気はない」

「ああ? てめーでふっかけといて、今さら何言ってんだ?」

「まさか優等生学校に知られんのが、こえーのか?」



俺の着ている制服を見ながら、背の高い男が嘲るようにそう言った。

そのせりふに、俺は何も返さず。すると男たちは、また焦れたように、こちらへと向かってくる。



「ハッ、そっちが手ぇ出す気ねーなら、話はえーや」

「……ッ、」



わずかな隙をつかれて後ろから羽交い締めにされ、前から金髪の男が腕を振り上げる。

ガツ、と嫌な音とともに、左頬に衝撃が走った。

その後すぐに腹にも1発入れられ、ふらついたところを、地面に押し倒される。
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