二人っきりだと思っていた私は、明らかに落胆の表情を浮かべていたのだろう。唯野さんは、ささっと私に駆け寄り、耳打ちをしてきた。


「ごめんなさいね、美晴ちゃん。私たちはって何度も遠慮したんだけど、課長に美晴ちゃんが自然に話せる雰囲気を作ってほしいって頼み込まれたの。課長、勘違いしてるわよ」


「勘違い?!」


「そう。美晴ちゃんは課長のこと苦手だと思ってるみたい。だから今日は協力するから美晴ちゃんもその誤解を説きなさいね」



それにしてもお人形みたいに可愛い。と私の服装をベタ褒めしてくれる唯野さん。人形は言い過ぎだけれど、そんな風に言ってくれる人、あまりいなかったから素直にそれは嬉しい。


でも、そっか。あの日だって、私は課長に啖呵切ったわけだし、もしかして、付き合うと言ったことも促されて無理やり、私が承諾したと思っているのかも。


でも、無理はないし、そう思う方がしっくりとくる。確かに、あの日まで、私は課長のことが苦手だった。


勤務時間に目を合わせることもしないし、わざわざ関わるようなこともしなかった。忘年会などの飲み会でも、あえて話すこともしなくて課長とは距離を置いていた。

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