僕らのルール
3
かずくんとメールする傍ら、私はもちろん大学にきちんと通っていた。(そんなの当たり前なんだけど)

メールしているせいで成績を落としたくなかったから、彼と出会う前以上に勉強は頑張ってるつもり。


仲のいい友達にもかずくんのことは話してない。
なんとなく、そんな関係おかしいって否定されるのがやだったから。おかしいなんて、誰よりも自分がわかってるのに。


「松本、最近明るくなったね。つーか、明らかにかわいくなった気がする」

そう言うのはいつも気がつくと教室で席が近くなる、斉藤君。茶髪、腰パン、とルーズな外見を裏切ることなく授業そっちのけで話し出すあたりつわものなのかもしれない。


「確かに、泉もしかしてオトコできたの?」
親友の真美まで、そんなことを言い出す始末。


「そんなのいないってば。もぉ、ちゃんと授業受けたいから静かにしてよー」

親友がかばってくれない分、自分で抵抗するしかない。


「まあいいや、俺気長に待つって決めたし」


よくわからない斉藤君のつぶやきを無視して、板書に集中する。
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