欲張りでいーでしょ!!!
彼氏が欲しいお年頃
本物の恋ってなんだろう...



やっぱりドキドキしたりする物だよね。

そんなの分かってるよ...


でも...



彼氏いない歴14年は、辛いですよね。


周りの友達はみーんな彼氏持ち。

告白されたらOK!!!みたいな軽いノリ。

顔が良くて性格が良かったら言い訳??

そんなの嫌!!!


両想いの軌跡...が欲しいよぉ...

でも...彼氏欲しいよッッ


そんな事に憧れてるから彼氏出来ないのかも
しれないなぁ...

『杏ッッ危ない!!!』

『へっ??』

ドゴッ


鈍い音と頭に衝撃...

痛いぃぃぃーッッ

『大丈夫??名前呼んだんだからよけなさいよね』

『いてててて...』

頭に当たったのはバスケットボール。

それを左手に抱えながら右手を差し出してくれてるのは...

夢山 紗羅。

私の大親友だったりする。


『部活中に上からバスケットボールとは...柵越えてくるなんて...ウケるねッッ!!!』

クスクスと笑いながら私を見てる。


部活中...とは

ただいま放課後。卓球部なのです。


今日は先輩がテストの日だから1年のみ。
という事でボケーッとしてたのであります!

隣には...

男子卓球部と...


そう、バスケ部。


バスケ部には...ね

私の好きな人がいるの。

名前はー...

『ごめん...ボール当たったよな??
夢山に当たった??』

え、え、えぇぇ!?

口をパクパクさせていたら

『おおー犯人は岳だったのね( ̄▽ ̄)
当たったのは杏だよ!!!責任とりなさーい』

ニヤニヤしすぎだよ!紗羅ーぁ


『笠原に当たってた!?マジごめん』

深々と頭を下げた時の上がった髪の毛が綺麗...と見とれてたら

『えーっと...責任...って??』

真っ黒な瞳...近いって!!!!!!!

『え、えと...そのッッ』

震えるぅぅぅーっ


『岳ーッッミニゲームやるから来いよッッ』

そう先生に呼ばれて

『あー...っと』

『すみません!!!大丈夫なんで行ってくださいッッ』

顔が熱いのを感じる。

『...ありがと!』

タタタタタタタッ

そう言って走っていってしまった。

心臓止まるかと思ったぁぁぁ

『杏ってさ、二重人格だよね』

あきれた顔してラケットで顔をあおぐ紗羅。

『恥ずかしいんだからしょうがないッッ////』

『いつまでも片想いするのも一途でいいけど、いい加減彼氏作れば??』

グサッ

体のどこかで矢が心に刺さる音が聞こえる...

『知ってるよッッ作れたら作ってますよーだ』

舌を出して目を引っ張ってあっかんべーってやった時。

バチッ

『ーーッッ』

岳と目合っちゃったぁぁー...

恥ずかしいぃぃー

恥ずか死ぬーぅぅ

『ま、せいぜい頑張りなさいね??』

ひとごとみたいに言う紗羅には...もちろん彼氏がいる。


滝川 水鳥って言ってすごく可愛い感じの男の子。

でも本当は...私に嘘ばっかついてくる狼少年なんだけどねッッ

紗羅はモテモテでウエーブのかかった髪の毛がフランス人形みたいな女の子。


私、笠原 杏とは比べ物にならないくらいの可愛さ。


こういうの、不公平だよねッッ



片想いしてる人がいるのにこんな事言うのはあれだけど...

『素敵な人現れないかなぁ...』

『ついに現実逃避か...杏』

『紗羅ッッ違うわーッッ』

キンコーンカンコーン

『ほらー片付けやるよー』

紗羅の声と同時に片付けが始まる。

私は外にホコリを掃き出す係だから外に出た。

校庭で走る人を夕陽が赤く照らしている。


何か...切ないなぁ


『あ...笠原』

そう呼んだのは...


私の初恋の人。


宮沢 朝日。

連続で3年間も同じクラス。

茶髪にクルクルのパーマが可愛い感じの男の子...
とにかくイケメンでモテる。

そして...毒舌ツンデレ君。

彼女作る気ないらしい。
とにかく女に興味ない...らしい。

『宮沢ー部活お疲れー』

背伸びしながら話す。

彼はめちゃくちゃチビ。

身長142cm...
(ちなみに私は150cm)

下を向いて話すと肩こる...場合もある。

『あーお疲れ...でも卓球部は疲れねーかな??』

ムカッ

『疲れます!!!運動なんだから!!!』

宮沢のサッカー部には負けるけど...
卓球部だって強いもん!!!

『どーかな...』

ニヤリとする彼は悪魔だ...


『杏!?遅いよぉぉ!?』

げ、紗羅ッッ

中から紗羅の声...

『じゃ、また明日ね??宮沢!!!』

ガシッ

『え...!?』

またねと右手を振って背中を向けた時ー...

左手をつかまれてる!?

グイッ

『ワッ』

しかもその手を引かれー...

顔近いぃぃぃぃぃーッッ/////

『ちょっ...なっ////』

まつげ長い...肌ツルツルじゃん...

何なの!?真面目な顔しちゃって...

ドキドキ...





『髪にホコリ着いてるぞ』



『...............ッッ...はぁぁ!?』

な、な、な.../////ドキドキしちゃったじゃん!!!

『顔赤いけど...何か期待してた??』

『しっ...してるわけないじゃん!!!』

嘘です...バリバリ期待してました。

『じゃなー』

タタタタタタタッ

風のような後ろ姿が夕陽に照らされてー...

ドキッ


『なにこの胸のトキメキはッッ////』


バシッ

『いーつーまーでーホコリ出してるの!?』

『紗羅ッッムード壊さないでよぉぉ』

『ムードもラードもないッッ』

怒った紗羅に手を引かれてさっきの事を思い出してしまったー...


ボボンッ

『カァーー///////』

あ、あんな野郎に恋するわけないッッ
あれは初恋だよ!?!?

『杏...顔キモイ』

『親友のくせにひどいぃぃーッッ』

恋...じゃないもん!!!


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