病める時も、妹を愛すと誓います!

成長



優樹菜side


中学への登校中…


「おっはよー優樹菜!」

「誠!和海!おはよう!」


まだ眠気のひかない朝。

私とは違い眠気をはじき飛ばした
明るい笑顔の誠。

その隣で目を閉じて立ったまま寝ている和海。

相変わらず誠の荷物を持たされている。


「和海…寝てるの?」

「半分ね。」


私の質問に、笑って答えた誠。

和海の腰に、ひじを入れる。

その衝撃で、和海の巨体がどん、と揺れた。


…ゆーーーっくりと和海の目が開く。


「何寝ぼけてんのよ。早く行くわよ!」


和海にそう声をかけて、誠がたったった〜と先に走って言った。

待ってよ〜と声をかけると、和海が肩をぽんぽん、と叩いてきた。


「何?和海。」

「…鞄持つよ。貸して。」


和海は、ぼうっとしたまま右手を差しだした。

誠の鞄と和海の鞄は、左肩にかけている。


「え、いいよ…そんな。」

「…………」


眉ひとつ動かさず私を黙って見る和海。


「…ごめん。」


その重たい空気に負けてしまった私は

自分の鞄を和海に差しだした。

和海は、別に、と答えながら鞄を受け取る。

この子は体を鍛えようとしてるのか?


やっぱり和海って頼れるんだよなぁ。





カッコいいと思うんだけど…




昨日…


なんでお兄ちゃんは怒ったんだろう?


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