君は知らないんだろうね。


――君の存在がどんなに僕の救いになったのかを。









「ちょっとティオン! また無茶なくらいに仕事をしてたでしょう!!」


朝、ユズの叫び声と布団を捲る感触で目を醒ます。


彼女の声を聞くだけで、不思議とすっきり目覚められる。それがここ毎朝の習慣になってるのは、僕の寝起きに関係していた。


もともと僕はひどく寝起きが悪い。どんなに適切な睡眠を取っても、起きるのに半刻(30分)は掛かる。


幼い頃はこうではなかった。

上の兄たちよりも気楽な立場の第三王子として、目一杯遊び走り回っていたころ。


物心ついた頃には第一王子である上の兄が将来の王となるべく立太子していたし、二番目の兄は将来国を守る武官になるべく武芸に励んでた。


末っ子である僕は王子という立場もあったが、一番下であるという甘えからよく勉強を放り出して遊び回ってたんだ。


母王妃や兄たちのお小言も何のその。幼いゆえの無謀さで、いろいろなイタズラもやらかしてた。



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