『で、ありますから。このような場合、相手へのお辞儀はこの角度で』


……ああ、気持ちいい。


授業中ってなんであんなに眠くなるんだろう? 今も同じでマクベス伯夫人の声が子守唄にしか聞こえない。


椅子に座りながら船を漕いでいるあたしに、夫人から雷が落ちるのは時間の問題だった。


『ユズ様! 聞いてらっしゃいますかっ!?』


キンキン声のマクベス伯夫人が、ちょうど嫌な夢の入口を吹き飛ばしてくれた。










『ユズ、またマクベス伯夫人にお叱りを受けたのかい』

「う……だ、だって! あんなふうにサロンで講義なんてするから。太陽の光で暖かくてついつい……ね」


午後のお茶の時間。ティオンがクスクス笑いながら、膨れるあたしを眺めてた。


「ティオンだって居眠りくらいするでしょう」

『そりゃ、僕も人間だからね』

カチリ、とティーカップをソーサーに戻したティオンだけど。なぜか、椅子から立ち上がる。


そして。


あたしの頬に手を当てて顔を上向かせる。


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