Dear.

誰が為

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「おはようございます、武久さん。」



「おはようございます。」



「不服そうですねぇ?」


ああ、嫌だ。

なんでこの人が...

この人が来たから全てが狂ったのに



「伊東さん、そろそろ集まりの時間では?」


冷たく、いつも以上に冷たく言い放つとニヤリと口の骨格を上げて何処へ消えてゆく



伊東甲子太郎。


なんで、こんな人のせいで...


あの人は死ななければならなかったのだろう



「山南様っ.....」



ポロリと零れ落ちる涙


泣くな、泣いちゃ駄目なのに。


こみ上げてくるものがある
憎い気持ちがある



『慶、僕はもう、本当の化物だよ。』



あの日の総司の言葉が耳に残る



その時、感じた自分の無力さ



山南様、貴方はどうして...誰の為に



その命を捧げたのですか?




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