はるこの遅咲☆妄想日記
8 清楚の裏側
#8  清楚の裏側




私 田上 みのり は 一見平凡な主婦だった。

旦那と子供2人。子供達は成人してもう自宅にはいない。

残された、熟年夫婦の私たちは、毎日を淡々と送っていて。
幸い、夫 桐生 は 私をとても愛してくれてて

私は、このうえなく幸せな妻。近所からもおしどり夫婦として評判だった。

桐生は毎朝、私のコーディネートをしてくれる。1日も欠かしたことがない。

この日も、トップスはビジュー付のピンクのニットに

グレイのフレアスカート。桐生は清楚な女性が好きだというのか私にもそんなコーディネートばかりを好んで着せていた。

最初は、それが嬉しくって、「ありがとう。あなた。」私は朝から裸になり腕を上げると

桐生は着せ替え人形に服を着せるかのように、私の洋服の袖を通した。

「綺麗だ・・・」桐生は一通り全身着せると、私を抱きしめた。

「行ってきます。」そうして、桐生は仕事に行く。

そんなことを2年も続けていたある日

桐生しか知らない私の前に

一人の男性が現れた。

「奥さん・・・」彼はもう一人の私を目覚めさせた。

桐生にバレたらどうしよう・・・

そんな不安も抱えながら

私は今日もその男に会う。

「行ってらっしゃい。」私は玄関で桐生を送り出すと

朝着せられた、洋服をその場に脱ぎ捨て

彼に逢うための準備をしていた。



< 26 / 73 >

この作品をシェア

pagetop