*約束期限*
「大丈夫」

*真衣side*


年も明けて、三学期初日。

毎日のように雪が降っていて、朝はよく冷える。


「ふぁ~…」


雪の反射するグラウンドを横目に、大きなあくびをしてしまう。


「真衣眠そ~」


ぽんっと頭を叩いてきたのは美月だった。

いつものように振り返って、仰天した。


「えー!?どうしたの!」

「ふふっ…イメチェン」


長くて綺麗な髪をばっさりと切り、ショートカットにしていた。

これもこれで、美しさが引き立つ…‼


「似合うかな?」

「うん、もちろん!」


あたしたちが他愛もない話をしていると、朝練から涼介が帰ってきた。


「あ、おつかれ~!」


声を掛けると、涼介はまず美月を見てからあたしに「おはよ」と言った。

対する美月はグラウンドを見ており、挨拶も何もしない。


…おかしい。

鈍いって言われるあたしにもわかる空気が二人にはあった。



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