君のためにできること
夜、風呂からあがった私が、自分の部屋に入ると、なぜかちゃっかり貴史が入り込んでいた。

「わっ!」

驚いた私は、思わず大きな声をあげてしまった。

「ちょっ・・・どうやって入ってきたのよ?何か用なの?」

「もちろん、いつも通り窓からベランダづたいに決まってんじゃん。明かりがついてたから部屋にいると思ったのに、いねーんだもん。」

「おフロに入ってたのよ。すぐに出るからいいと思って、電気はつけっぱなしだったの!」

「へっえー・・・。で、そーいう格好なわけ?」

そう言って貴史は指を差す。

私はレースのキャミソールと短パンで、ほとんど下着に近い姿だった。

「だだだ、だって!貴史がいるなんて思ってなかったしッ。」

私は慌ててクローゼットを開ける。

「いいじゃーん。そういうのって、オレ、好きだけど?」

「そんなの関係ないっ!着替えるから早くでてけ!!」

「せーっかくROBのライブDVD、借りてきたのになぁ・・・。そっか、別にこんなのいらないか。じゃあ帰るわ。」

ROBは私が好きな、イギリスのロックシンガーだ。

そのDVDを借りてきた・・・という貴史の言葉に、私は慌てて身を翻した。
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