今日、君が結婚します
the climax of a story〜悪女〜
私はどうしていつもタイミングが悪いんだろう。


あのとき、優しさを罪悪感だと思わなければ今と違った結果に出会えていたに決まってる。



高校は違ったけれどきっとまた告白して付き合えてデートしたり、初めてのキスにドキドキしたり、全部が大和くん一色に染まってたはずだ。



動かない足を無理矢理動かして泉美の家の前からとにかく離れなきゃいけないと夢中で走った。



あぁこんなときにもタイミングが悪い。朝から曇天だったとはいえ、傘も持たずに出かけたからずぶ濡れ。



12月中旬の雨は体を一気に冷やした。



『妊娠』



その言葉はあまりにも残酷で私の胸を貫いた。どんなことがあっても離れない。もうそう決めていたはずなのに、妊娠なんて私の入り込む隙間なんてない。



実際、大和くんと泉美にはそういう関係があったんだから。
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