溶ける温度 - Rebirth -
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人の歩く音、鳥が鳴く声、聞こえてくるそこら中の生活音。
真っ暗な視界からふと瞼を開けると、瞬間に光が差し込んだ。

もうすこしこのままで。この気持ちいい光に包まれながらゆっくりしていたい…。
______しかし。社会人の生活が染みついた私には反射反応が染みついてしまっているのが悲しい性で。


「…は!遅刻!!!」


目覚まし時計を鷲掴みにしながら確認する時刻は現在8時50分。
完璧に遅刻だ!ここから職場まで電車で40分はかかるうえ、したくも含めれば1時間はくだらない。
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