嘘の愛を口にする【完】



この日



結局弘樹が帰ってきたのは



夜中だった。



静かに寝室に入り



あたしの隣で眠ろうとする弘樹から匂ったのは



やっぱりラズベリーの香水の匂い



そしてあなたが口にしたのは


「美織、愛してる」


その言葉が


あたしにとってどれだけ辛い言葉か



あなたは知らない



好きじゃないならっ



浮気してるならっ



そんなこと言わないでっ


胸が張り裂けそうなくらい


辛いよ…
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